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黒い白鷺
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白亜の壁。姫路城の美しさを際立たせるその白さが却って徒となる出来事があった。
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太平洋戦争開戦間近の昭和15年、陸軍第十師団司令部のある姫路城についてある問題が
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持ち上がる。この年の10月、姫路では夜間防空演習が行われた。すべての灯火を消して
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姫路城がどのように見えるかを確かめるためであった。白壁の目立つ姫路城はまたとな
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い攻撃目標になるのは目に見えていた。演習の結果は「城を擬装すべし」。
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陸軍の意向を受けて姫路市長は、文部大臣に姫路城の擬装方法について上申しました。
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ひとつは、白壁を黒く塗りつぶすというもの。もうひとつは、壁を何かで被い隠すとい
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うものでした。文部大臣は後者を選んだ。昭和16年8月、試験的に藁縄(わらなわ 直径
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約6mm、黒に染め、網目は3cmぐらい)で編んだ網で大天守6階を被ってみたところ、そ
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の結果はまずまずであったので、大天守全体をカバーできる網を作り、昭和17年5月に
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擬装工事は完了しました。しかしながら、大天守だけを網で被ったために、今度はその
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周辺が逆に目立ってしまうことになり、擬装の範囲を拡げることになりました。また、
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修理したての屋根の漆喰の白が鮮やかすぎるため、わざわざ灰汁(あく)を塗って古び
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た色に見せかけています。こうした擬装工事が全て終わったのは昭和18年12月でした。
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