9. 技術の融合
うず高く積まれた石垣をばらし、また元通りに積み上げ直すということは至難の技であ
る。このことは帯の櫓の石垣修復工事で作業中に一人が犠牲となる尊い代償を払って学
んだことでした。大天守は本来ならば石垣も修復すべきであったが、それには莫大な費
用がかかり難工事となるのは明白でした。そこでコンクリート基礎設置は石垣に手を加
えずに実現できる方法が要求されました。まず大天守直下の地盤を東西に14m、南北に
8m、垂直に姫山岩盤まで4m掘り下げます。次に岩盤を1m掘削して水平面を造ります。
ここに厚さ1.5mの鉄筋コンクリート底盤を設置します。東西の心柱を結ぶ位置に主軸
(鉄筋コンクリート軸)を造り、主軸から南北方向に各二条、主軸の延長線上東西に各一
条、四隅にそれぞれ一条の計十条の腕壁を延ばす。腕壁上に鉄製の地中土台を置き心柱
などを受ける。これは「棚橋式十弁擁壁」と呼ばれるもので、現在も姫路城大天守を支
え続けています。(鉄筋80t、コンクリート350立方メートルが使われています。)
時を隔てて慶長と昭和それぞれの時代の最先端技術がうまく融合しているのです。
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